『魔王と勇者』


プロローグ(魔王)


「昔、この土地は魔族達の住む土地でした...

そこに、神々は我々...魔族を討ち滅ぼす力を持った人間達を送り込んだのです...

人間達は、瞬く間に増えて魔族の土地を侵略していきました...

魔族も黙ってはいません!!奪われた土地を取り戻そうと必死に抵抗しました...

それに目をつけた神々達は、まさに魔族が人間達を支配しようとしてると人間達に洗脳していったのです...

これが、この世界の始まりです...」


第1話


勇者「ようやく、たどり着いたぞ‼魔王!!」


魔王「かっかっ、ようやく来たか...勇者よ」


勇者「........帰ります」


魔王「はぁ?」


勇者(聞いてねぇぞ!!魔王が女だなんて...女を斬るなんて、俺には出来ん‼しかも、かなりの美少女...)


魔王「なんじゃ、かかって来ぬのか?では、こちらからいくぞ‼」


勇者「ちょっ、待てって‼話し合おう‼」


魔王「なんじゃ、殺らぬのか?」


勇者「お前、なんで世界征服なんてやってんだ?」


魔王「それは、人間共が魔族を異形の者とみなし追い出したからであろう‼魔族の者が魔族の土地を取り戻して何が悪い‼」


勇者「それは...けど、何も殺す事ないだろ‼」


魔王「人間も魔族を殺しておる‼」


勇者「うっ...それを言われると...」


魔王「それで、お主...殺るのか殺らぬのか?はっきりせい!!」


勇者(斬れるかよ‼こんな、可愛い子!!しかも、魔族側にも事情があったなんて...教会の奴ら、黙ってやがったな...)


魔王「はようせい‼」


勇者「決めた!!魔王、俺と結婚を前提に付き合って下さい!!」


魔王「はぁ?何を言っておるのじゃ?」


勇者「一目惚れです!!」


魔王「いや、待て。妾は魔王、お主は勇者であろう?」


勇者「愛に種族なんて関係ありませんよ...」


魔王「いや、かっこよく言われても。そもそも妾は、お主の事などこれっぽっちもタイプでは無い‼」


勇者「なんだって‼」


魔王「ごめんさい。お断りします」


勇者「ガーン。ま...魔王にフラれるとは....無念...」


魔王「あっ、勝手にHP0になった。何だったんだ...アイツ...」


魔王「よくよく、考えたら魔王の城に

魔王を倒す為のアイテムが置いてあるっておかしくない?

完全な自殺行為でしょ!!

セーブポイントの廃止!!回復アイテムの配置廃止!!装備品の配置廃止!!を提案します!!

今までに、歴代の魔王がそれで何人倒されたと思ってるのよ!!」


第2話


勇者「また、来たぞ!!魔王!!」


魔王「また、来たのか...勇者よ...」


勇者「俺が、勝ったら俺と付き合ってもらうぞ!!魔王!!」


魔王「いや、それ...妾、死んでおるであろう!!」


勇者「はっ!?そっか!!ならば、俺が負けたら結婚して下さい!!」


魔王「段階飛ばすな!!それに、妾に何のメリットも無いであろう!!」


勇者「もれなく、俺がついてきますよ」


魔王「もれろ!!要らぬわ!!顔洗って、出直して来い!!」


勇者「なっ...また、フラれた...無念....」


魔王「あっ...また、勝手に死んだ。もう、来ないようにトラップ強化しとこ」


第3話


勇者「顔洗ってきたよ、まおちゃん」


魔王「誰が、まおちゃんじゃ!!なれなれしい!!それに、顔洗ってってそういう意味じゃないから!!」


勇者「えっ?そうだったの?」


魔王「それに、トラップ強化したのに何故ここに?」


勇者「愛の力ですよ」


魔王「そんなもの無いわ!!誰だよ、こんな奴...勇者にしたの...」


勇者「あぁ...それは、たまたま通りかかった教会で

たまたま勇者募集してたんで応募してみたら勇者になれちゃいました」


魔王「たまたまかい!!そんな、教会潰してしまえ!!」


勇者「その教会なら、俺が昨日潰した」


魔王「はぁ?」


勇者「いや...だって、俺に魔族の事黙って利用しようとしてたから」


魔王「気持ちは解るが...お主、バカじゃろ!!教会を潰してしまったら神の加護が受けれず

もう、蘇生は出来ぬぞ!!」


勇者「マジで?」


魔王「マジじゃ」


勇者「か...帰ります...」


魔王「殺されたくなくば、そうせい」


勇者「まおちゃん、俺強くなってまた逢いに来るから」


魔王「帰れ!!2度と来るな!!」


エピローグ(勇者)


「こうして、魔王と勇者の戦いは終わった。

その後、勇者は教会を潰した事により2度と勇者にはなれませんでした。

がんばれ!!元勇者(元って言うな~~!!)魔王に再び逢う、その日まで」


おわり